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ビジネスパーソン向けAI入門:第2回「AIエージェントとは何か?ビジネスで使える最新AIツール徹底解説」

公開日

2025年5月21日

更新日

2025年5月18日

AIエージェントとは何か?

 ビジネスパーソン向けAI入門第2回の本記事ではAIエージェントについて解説していきます。

▽第1回はこちら▽

【初めてのAIツール入門】第1回 すべてはここから始まった【ChatGPT】

 AIエージェントとは、自律的に判断し行動する次世代のAIシステムです。従来の生成AIが「指示に対して応答を生成する」にとどまるのに対し、エージェントは目的に向かって自律的に一連の業務を実行できます。具体的には、人間が設定したゴールをもとにデータベースやウェブ、ファイルなどから情報を収集し、状況を分析してタスクを計画・実行し、必要に応じてツール呼び出しや他エージェントとの連携も行います。つまり、AIエージェントはただ成果物を生成するだけでなく、自分で「次に何をすべきか」を判断して動く点が従来のAIとの大きな違いです。生成AIが「対話するAI」と表現するなら、AIエージェントは「行動するAI」と言うことが出来ます。

なぜ今AIエージェントが注目されているのか

 近年のAIエージェントへの注目は、技術革新と社会的ニーズの両面が背景にあります。まず技術面では、2025年現在、LLM(大規模言語モデル)の飛躍的な進化により、エージェント型AIの実用化が加速しています。たとえば、GPT-4登場時には「計画精度の低さ」「多段推論の遅さ」などが課題でしたが、2025年にはハードウェアや推論モデルの改良でこれらの問題が大幅に改善されています。これにより、ただ文章を生成するAIが外部サービスと接続できるようになり、様々なタスクを行えるようになりました。例えばWeb検索と連携し検索を深いレベルで行うことが出来たり、画像生成や動画生成サービスと接続し文章以外のコンテンツ生成ができるようになったり、ビジネスシーンにおいて重宝されるようになってきたのです。

代表的な最新AIエージェントツール

 近年登場した代表的なAIエージェントツールには、以下のようなものがあります。

OpenAI ChatGPT(Operator):
 ChatGPTの新機能「Operator」は、GPT-4oの視覚認識と強化学習を組み合わせた「コンピュータ操作エージェント」です。ブラウザ上のボタンやメニューを「見る」・「操作」でき、ネットショッピングや予約などのWebタスクを自動実行できます。現状は米国ChatGPT Pro限定ですが、今後のChatGPTへの統合が期待されています。

Anthropic Claude(エージェント版):
 Anthropic社のAIモデル「Claude」も、コンピュータ操作能力を獲得しました。最新バージョンではWeb検索やアプリ起動、キーボード/マウス操作など、PC上の様々な作業をこなせるようになっています。

Dify:
 オープンソースのLLMアプリ開発プラットフォームで、エージェントから複雑なワークフローまで幅広く対応できます。Difyの特徴はAIエージェントをユーザーが自由にノーコードで作成できる点にあります。プログラミングを学んだことがないビジネスパーソンでも自身の業務を効率化するAIツールを簡単に作成することが出来るので、エンタープライズ向けツールとして注目されています。

これらのツールは最新のLLM技術を応用し、それぞれ異なる強みを持っています。選択肢が増える一方で、用途や要件に応じて最適なものを選ぶことが大切です。

ビジネスマン向け具体的な活用例

 AIエージェントは営業・業務管理・資料作成など実際のビジネスシーンで活用が進んでいます。例えば、JAPAN AI社の「スライド生成アシスタントAIエージェント」というサービスでは、業務フローを定義するだけでプレゼン資料作成を自動化できます。プレゼン資料を作成するには「①Webで必要な情報を収集→②表形式に加工→③分析→④スライドにまとめる」といったステップが必要だとしましょう。これらを今までは人間が行ってきたのですが、AIエージェントに一連のワークフローを設定しておけば、情報収集からレポート出力までを自動でAIが行ってくれるのです。これにより資料作成業務の工数を大幅に削減でき、人間はもっとクリエイティブな作業に集中することが出来ます。AIエージェントは定型的なルーティン業務を自動化し、営業担当者の負担を軽減してくれるのです。

 そのほかにも、AIエージェントを使えば、過去の提案書や顧客データを学習させることで説得力の高い提案資料を自動生成できたり、問い合わせ対応のメール返信やスケジュール調整などもAIが行ってくれたり、様々な業務を自動化することが出来ます。このように、AIエージェントは営業資料作成からカスタマーサポートまで幅広い業務をサポートし、ビジネスの生産性を飛躍的に高めることが出来るツールなのです。

ツールを選ぶ際のポイント

 AIエージェントを導入する際のポイントについても述べておきます。
まずは導入のしやすさです。直感的なUIやノーコード環境が用意されているか、クラウドサービスかオンプレミス(自社運用型)か、すでに使っている業務ツールとの連携が容易かなどを確認するのが良いでしょう。また小規模から試せる無料プランがあるかどうかも一つのポイントとなるでしょう。導入のしやすさや導入してからの操作性の良さはツールを使い続ける上で非常に大切なポイントです。まず初めは簡単に試せるものから始めるのが良いでしょう。

 また、安全性・信頼性について確認することも重要です。AIエージェントは「人の監督なしで動作する」ため、その判断結果を信頼できるかが重要です。たとえば、データの暗号化・アクセス制御機能、履歴の記録・説明可能性、利用規約やコンプライアンス対応などをチェックしましょう。エージェント導入時には信頼性やセキュリティ上の課題への対策を怠らないことが必要です。

 そのほかにもポイントを上げるとキリがないですが、まずは上記2点を意識することが大切です。

おわりに

今回は、AI入門第2回ということで、AIエージェントについて解説しました。AIエージェントはまだ生まれたばかりの技術でありこれからもっと進化していくでしょう。次回はAIエージェントを作成できるツールとして今注目されているDifyについて紹介します。次回もお楽しみに。

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