AIとはじめるプログラミング入門:第1回「AIと一緒に初めてのPythonコードを書いてみよう」
公開日
2025年6月8日
更新日
2025年5月30日

みなさんは「プログラミングを始めたいけど、何から手をつければいいのか分からない…」と感じたことはありませんか?一念発起して本やサイトを開いてみても専門用語だらけで、最初の一歩でつまずいてしまう──そんな経験がある方も多いでしょう。
実は、プログラミングの入り口で足踏みしてしまうのは何も恥ずかしいことではありません。誰もが初めは初心者。重要なのは「最初の一歩」を踏み出すことです。このシリーズ「AIとはじめるプログラミング入門」では、その一歩をAIが優しく後押ししてくれます。第1回の今回は、AIを使ってPythonコードを書いてみるところから始めてみましょう。難しい知識や準備は一切いりません。肩の力を抜いて、AIと一緒にプログラミングの世界へ踏み出してみましょう!
この記事の主な内容
AIと一緒なら、こんなに簡単!
「プログラミング」と聞くと複雑な英数字の羅列を思い浮かべ、「自分には無理かも…」と構えてしまうかもしれません。でも安心してください。今はAIがあなたの頼もしい味方になってくれる時代です。Google が提供するAIアシスタント「Gemini(ジェミニ)」を使えば、コードを書いたことがなくても大丈夫。私たちの役目はやりたいことをAIに伝えるだけです。あとのコードを書く作業はすべてAIがやってくれます。
言ってしまえば、「AIにコードを書いてもらって、それを動かすだけ」なんです!初心者の皆さんは細かい文法や動作環境の設定に悩む必要はありません。例えば「〇〇を表示するプログラムを書いて」とAIにお願いすれば、必要なPythonコードをパッと作ってくれます。そのコードを実行して結果を見る──それだけで、立派にプログラミングの体験ができます。AIと一緒なら、驚くほどハードルが下がるのを実感できるでしょう。
実践:GeminiでPythonコードを作り、Colabで動かす
では早速、AIアシスタントのGeminiと一緒に簡単なプログラムを作って動かしてみましょう。まずはこれをAIの力を借りて体験してみます。手順はとてもシンプルなので、ぜひ自分でも読みながら進めてみてください。
※この操作にはGoogleアカウントが必要です。GeminiやPythonを使うのに必要なGoogle Colabを利用する際にログインが求められるので、まだアカウントをお持ちでない場合は先に作成しておきましょう。
それでは手順を見ていきます。
1. Google Colabを開く
お使いのブラウザでGoogle Colabにアクセスします。Google ColabはGoogleの提供するPython言語のプログラムを作成・実行できるツールです。さらに、Google ColabはAIチャットサービスであるgeminiを使いながらプログラミングを行うことができます。何より基本的に無料で実行することができるので(一部機能は有料)、初学者の方はもちろん、データサイエンス分野などでも非常によく利用されるツールです。
Google Colabが表示されたら、真ん中に表示されるダイアログの「ノートブックを新規作成」を選択します。
次のような画面が表示されたら、Python言語によるプログラミングを行う準備完了です!画面真ん中やや上のグレーの部分が、プログラムを入力する「セル」と呼ばれる箇所になります。
2. GeminiにPython言語のプログラムを書いてもらう
さっそくGeminiにプログラムを書いてもらいましょう。セルの中に薄く「コーディングを開始するか、AIで生成します」と書いてあり、「生成」の部分を選択しましょう。
するとセルの上に「生成」の入力欄が出てくるので、「Hello, World!と表示するプログラム」と入力しましょう。
入力が完了したらEnterキーを選択!セル内に入力した内容のプログラムを、Geminiが生成してくれました!
3. 生成したプログラムを実行する
最後に、生成されたプログラムを実行してみましょう。プログラムを実行するには、セルの左側にある再生ボタン(▷の形をした三角のアイコン)をクリックします。
数秒後に、セルの下に実行結果が!これでAIに生成してもらったプログラムが無事に動作しました!
どうでしょうか?手順通りに進めれば、プログラミング初心者の方でも数分で「Hello, World!」を表示させることができたのではないでしょうか。自分でコードを書かなくても、AIのサポートを使って実際に手を動かし、結果を見るという体験ができたことと思います。これがプログラミングの第一歩です。最初の一歩を踏み出せたら、あとはその積み重ね。AIという心強いパートナーがいれば、これから先の学習もきっとスムーズに進むでしょう。
なぜ「Hello, World」なの?
ところで、なぜ最初のプログラムによく「Hello, World!」が使われるのか、ご存じですか?実はこの「Hello, World!」を画面に表示するプログラムは、プログラミング学習の伝統的な登竜門となっています。ほとんどのプログラミング言語で、入門書やチュートリアルの第一章に登場すると言っても過言ではありません。それにはしっかりとした理由があります。 一つ目の理由はとにかく簡単だからです。画面に一行のメッセージを表示するだけのプログラムなので、コードの量も少なくミスする可能性も低い。初心者でもすぐに実行できて、結果として文字が表示されれば「おっ、できた!」という達成感を味わえます。つまり環境が正しく動作しているかをテストできるうえに、すぐ結果が得られるのでプログラミングがぐっと身近に感じられるのです。
もう一つの理由は歴史的な由来です。実は「Hello, World!」をプログラミング入門の最初の例に使う慣習は、1970年代までさかのぼります。1978年に出版された有名なC言語のプログラミング本の中で、このフレーズを表示するプログラムが紹介されたのがきっかけと言われています。当時から現在に至るまで受け継がれてきた伝統ある定番ネタというわけですね(「世界一有名なプログラム」と呼ばれることもあります!)。
いうまでもないことですが、AIによるプログラミングの実力はこんなものではありません。今回はたった一行のコードでしたが、AIは関数や条件分岐、データ処理やグラフ描画、さらにはアプリ開発や自動化まで、さまざまなコードを生成できます。言い換えれば、あなたが「こういうことがやりたい」と思えば思うほど、AIはそれに応えてくれるのです。だからこそ、「Hello, World」で終わらせるのはもったいない! 今回得られたこの小さな成功体験をきっかけに、もっといろいろ作ってみてください。もっとたくさん、AIに頼ってみてください。
AIは、あなたの“わからない”に対して嫌な顔ひとつせず、何度でも教えてくれる最高の先生であり、アイデアをすぐに形にしてくれる最高の相棒です。今、誰もがAIを味方にできる時代だからこそ、「プログラミングって楽しいかも」と思った今この瞬間の気持ちを大事にして、一歩ずつ進んでみませんか?
なぜAIがあるのにプログラミングを学ぶ必要があるの?
たしかに今はAIがコードも書いてくれる時代。では、もう人間はプログラミングを学ぶ必要がないのでしょうか?
──実は、AIがあるからこそ、プログラミングの基礎を知っていることがますます価値を持つようになってきているのです。なぜなら、AIは“指示されたこと”を忠実に実行する一方で、何を作るべきか・どう作るべきかは人間の判断に委ねられているからです。ちょっとしたエラーを直したり、自分が欲しい機能を追加したりするためには、AIの出力を理解し、修正する最低限の力が必要です。
つまり、AIを「使いこなす側」に回るためには、AIまかせでは足りない部分が確実に存在するのです。逆にいえば、ほんの少しプログラミングを理解しているだけで、自分の仕事にAIを取り入れて加速させる力が手に入ります。プログラミングは、AI時代における「新しい教養」のようなもの。だからこそ、まずはAIと一緒にその入り口に立ってみる――それがきっと、これからの自分を助けてくれるはずです。
おわりに
今回はAIに助けてもらいながら、「Hello, World!」を表示する超シンプルなプログラムを実行しました。しかし、Geminiやプログラミングの力はこんなものではありません。次回はさらにAIを活用して、一歩進んだプログラミングに挑戦してみましょう。例えば、Geminiに簡単な計算やロジックを含むコードを書いてもらったり、繰り返し処理や関数を作ってもらったりといったことも可能です。AIと一緒に少しずつステップアップしていけば、気づいたときには「自分でコードを書けるかも?」という自信が芽生えているかもしれませんよ。どうぞお楽しみに!
AIによるプログラミングを学べる以下のセミナーも開催していますのでご興味のある方はぜひチェックしてみて下さい。
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